山辰雄 「聖家族III」 1993年
1993年、80歳を超えた山辰雄が発表した日本画「聖家族」シリーズ。タイトルは、作家・井上靖が名付けたもので版画の中に宗教の垣根を超越した「聖なる」母と子の姿を見た感動が伝わる。
マルク・シャガール
「逆さ世界のヴァイオリン弾き」
1929年
(C)ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2015, Chagall(R) G0228
故郷の情景や浮遊する人物などによる幻想性、ユダヤ教的な主題など、マルク・シャガールは追憶や体験を源泉とする叙情性に満ちた絵画世界を色彩豊かに表現する。絵画のほか、数多くの版画集や舞台装置、陶器などを手がけた。
山辰雄 「聖家族X」 1993年
山辰雄 「聖家族XII」 1993年
マルク・シャガール 「バラ色の肘掛椅子」
1930年
マルク・シャガール 「夢」 1939-44年
(C)ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2015, Chagall(R) G0228
東山魁夷 「春映」 1989年
山辰雄 「白い道」 1995年
杉山 寧
「ネフレト像」
1977年
加山又造 「暈」 1970年
平山郁夫 「法隆寺」 1991年
世界的に著名な、内外の作品を多数所有する吉野石膏株式会社と公益財団法人吉野石膏美術振興財団。
本展は、その中より、芸術表現のもっとも根幹ともいうべき、人間の“愛と絆”をテーマに山辰雄とマルク・シャガールの二人の作品を中心に展示します。
山辰雄は、若き日にゴーギャンに感銘を受け、鮮やかな色彩と簡略化された色面構成の作品を制作しますが、後年になると一転して人間の内面を見つめた心象風景画を多く制作します。家族愛を描いた「聖家族」シリーズは人間存在を深く追求する主題と、岩絵具・黒群緑のモノクローム的な画面で観る者を圧倒します。対するマルク・シャガールは、さまざまなモチーフを元に幻想的な表現を行い、その深い慈愛に満ちた作品で人々を魅了します。それは“描く”というよりも“奏でる”というような音楽的な諧調をもつ作品群です。「逆さ世界のヴァイオリン弾き」や「バラ色の肘掛椅子」など、恋人たちの愛を奏でる作品はその象徴です。
このように本展は、「恋人たち」であれ「家族」であれ、洋の東西を問わず人間の普遍的な価値を絵画として昇華した二人の作品を中心に「日本画五山」と呼ばれる日本画家5人(東山魁夷・杉山 寧・山辰雄・加山又造・平山郁夫)の作品を含む約100点で展覧します。
エーゲ海を舞台に織りなされる叙情あふれる牧歌物語。マルク・シャガールが晩年に描いた『ダフニスとクロエ』の作品も展示します。
「扉」
「真昼、夏」
「春」
1月23日(土) 午後2時~ [会場内にて]
※トークショーご参加には入場券が必要となります。
お問合せ先:TEL.03-3241-3311(大代表)
※都合により、イベントの内容が変更となる場合がございます。予めご了承ください。